藤崎竜版『銀英伝』を読んだぞ。

というわけで、藤崎竜のマンガ版『銀河英雄伝説』を読んだぞ。

 

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自分はマンガ『封神演技』直撃世代なので(さらにいうと初の連載作品『PSYCHO+』も好きだった。あと、短編集に収録された「DIGITALIAN」というゲームっぽい雰囲気のファンタジーも大好きだった。)今回のコミカライズの話を聞いたときにはびっくりしたが、なるほど『封神演技』という古代のお話をSF的とも言えるようなガジェットを用いて現代的に語りなおしたマンガ『封神演技』と、宇宙版三国志であるところの『銀河英雄伝説』というのはアプローチとして近いわけで、考えてみれば納得の組み合わせである。

で、連載はおいかけていなかったので、今日、始めて目を通したのだが、お話は原作1巻のアスターテ会戦からではなく、幼少期のラインハルトがキルヒアイスと出会うところから始まる。
最愛の姉を皇帝に奪われ、士官学校を目指し……と、外伝で語られた過去編などを組み入れつつ、どうやら少年ラインハルトが一歩ずつ成り上がっていく、少年マンガ的な物語として『銀英伝』を語り直すようだ。

まさかオーベルシュタインの目が義眼なのは、幼少のラインハルトを助けて鮫に食われたせいだなんてびっくりしたし、1話のラストでラインハルトが、「銀河王に俺はなる!!!」どんっ! て叫ぶ所なんて、さすがジャンプマンガらしいアレンジだと思いました。嘘です。そんな話はありません。

ところで、『銀河英雄伝説』をどういう物語として読んでいるかって、人によって意外なほど違う。
たとえば僕はヤン・ウェンリーという上司に恵まれない不遇のオッサンが民主主義の理念と現実の乖離、上層部の腐敗に苦しみながら戦いを続けていく物語だと捉えていた。だもんで隣の友人が、ラインハルトがどんどん偉くなっていき、ダメダメな自由同盟と卑怯な地球教徒をやっけつける物語として読んでいたと知ってびっくりしたことがある。

ちなみに僕は、2回ほど7巻か8巻で読むのを止めてしまい、3度目のチャレンジでようやく最終刊まで読み切った……というぐらい、あくまでヤン・ウェンリーの物語として『銀英伝』を読んでいた。

そんなヤン・ウェンリー派&同盟派として、ヤンが本格的に出てくるのはまだまだ先だと思うと少々残念なわけですが、ラインハルト派&帝国派の視点から見た『銀英伝』が読めるというのは、これはこれで、貴重な体験なわけで、続きも楽しみにしています。

 

amzn.to

 

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