映画『ジャガイモは火星でも最強だった件』……じゃなくて『オデッセイ』見てきた。

 というわけで映画版『火星の人』こと『オデッセイ』見てきた。

 すでに原作については、こんな感じで、何度かツイートしたとおり。

 

 詳しい話はリンク先でのebookJapanでの書評を読んでほしいけれど、とにかく軽妙な語り口と尽きせぬユーモアセンスでもっとすさまじいリーダビリティを誇り、にもかかわらずきっちりハードSFしているという大変素晴らしい作品だ。「なろう」のNAISEIものが好きな人には特にお勧めしたい。

 さて、で映画版。オデッセイなんてよくわからん邦題を付けられた上、監督がリドリー・スコットと聞いて原作のユーモアがどこまでちゃんと再現されているか……ヘタしたらシリアス一辺倒のサバイバルームービーとかになっちゃってないか……と少しだけ心配だったのだが、そんなことはまったくなく。

 マット・デイモンが演じるマーク・ワトニーは、ちゃんとマーク・ワトニーでした。
 監督リドリー・スコットが、前作『エクソダス』でも見せてくれた、そこにあるべきものは全部作るし、全部撮るというガチさは今作でも健在。徹底して本気に、リアルに再現された「火星」だからこそ、そこでのワトニーの底知れぬポジティヴさもまた引き立つ。やっぱり「火星にひとり取り残されて、音楽といえば船長が残していったディスコ・ミュージックばっかり」という最高にバカバカしい感じはやっぱ映像と音楽があってこそですね。ほんと笑えます。ディスコ!

 そして宇宙船とあとクライマックスのシーンね。あそこは絶対映像で見たら面白いだろうなぁと思っていただけに、「これが見たかったんだ」というものを見せてもらいました。
 あとは打ち上げ管制。私は"Give me Go or No go for launch.(各部署、打ち上げの可否を報告せよ)""Go""Go""Go flight"...という一連の発射シークエンスを聞くだけで涙腺がもろくなる病気にかかっているのですが、そんなシーンが何回もあって最高でした。"We are Go for launch!!"

 宇宙飛行士として科学者として技術者として組織人として、登場人物たちがただひたすらに「ワトニー宇宙飛行士の生還」というひとつの目標を目指してがんばる姿を余計な不純物一切無しで描く宇宙と科学の物語。
 そういうのが好きなら、間違いなくお腹いっぱいになれる、大変、よい映画でした、はい。

amzn.to

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